2012年2月3日金曜日

FoursquareがGowallaに勝った理由

月曜日に「すぐれていた面もあったはずのGowalla、Foursquareに完敗したのはなぜだろうか?!」という記事がTechCrunch JAPANの記事があった。

Fousquareの勝因というのは、サービス設計においてとても勉強になることばかりなので、私の考えも書き出してみたいと思う。
個人的に思った勝因は以下だと思っている。
  1. 最初はシンプルにリリース
  2. APIの公開(プラットフォーム戦略)
  3. ユーザパワーの活用

1.最初はシンプルにリリース
TcehCrunchの記事でも書かれているが、一番の要因は「最初からいろいろな機能を盛り込もうとしなかった」ことだと思う。
サービスコンセプトが一貫しているところにも通じるのかもしれないが、私からはとにかく「行動履歴」に主軸があり、そこにフォーカスを充てられていた気がする。そして、UIも直感的だった。(シンプルがゆえなのかもしれないが・・・)  「Dodgeball」での失敗の経験もあり、ゲーミフィケーション要素はいれてきたものの、それも来訪頻度を上げる施策、サービスの本質的な楽しみを理解してもらうための手段と思われる。
そして、ユーザ数がある程度ついてきた、ユーザもだいぶサービスになれて「次」がほしくなるタイミングで、次の機能を追加していったように思える。それが、写真投稿やリコメンド系の機能、リスト機能などである。それまでは、ほんとうにチェックインをさせることに注力しているように見えた。

Gowallaの方が本当に機能としては充実してた。おもしろい仕掛けも結構あったんだよな・・・。でも、結果、UIが複雑になり、ユーザを迷わせる結果になった。Version UPの仕方もよくなく、よりいいものを提供したいがあまり、使っているユーザの慣れなどを無視しているような形に思えた。いいものを出せばユーザは納得する、ついてくる、みたいな、いわゆるプロダクトアウト的なリリースの仕方に、私からは見えた。一番の目的である、チェックインをどうやったらいいのか?わからなくなるバージョンアップをしてきたときには、正直あり得ないと思った。


2.APIの公開(プラットフォーム戦略)
4sqははやくからAPIの公開をし、それを利用して関連サービスを作るエンジニアが多くいた。そのことは、結果4sqユーザを、さらにはファンを増やしていったように感じた。自分のサービスとなると、みな真剣になる。自分のサービスを充実させたいから
・スポットを登録する
・4sqを使い倒す
・4sqのことを考える
・4sqのAPIに関してのコミュニティができる
聞く人(質問出来る人)が多い方が作りやすい
・4sqユーザの友達が増えることで、4sqが提供するロケーションベースのコミュニケーションを体験する人が増え、はまりだす
なんてことが起きたんじゃないか?と思う。
結果ユーザが増える。人が集まると、さらに周りの人があつまり、ユーザが増える。
ファンが増えればさらに友達を巻き込んでいく。そして、それに加速するようにtwitterがあった。

また、魅力的なサードパーティアプリがでることは、4sqを使うユーザからすると4sq使ってて良かった。となる。ここで、他のサービスとの差別化ともなっているのだ。4sqでこんなサービスあったらいいのにな・・・なんてサービスは、サードパーティアプリで結構あったりする。私が使っているサードパーティアプリは
未来のチェックイン ・・・ forecast
1年前の自分を知る ・・・ timehop
などがある。4sq自体はオートチェックイン機能を提供していないが、サードパーティアプリではあったりもする。

一方Gowallaはチェックイン機能のAPIが公開されたのは、かなり後からだった。

3.ユーザパワーの活用
4sqのスポットはUGC(user-generated content)である。つまりユーザがスポットを作っている。それは、サービスを一緒に作っている感の演出になり、かつサービスのコンテンツ充実にもつながる。チェックインサービスにおいて、スポットが事前にあること+スポットの精度はとてもアドバンテージになる。ほとんどのユーザはスポット登録などせず、タップだけでチェックインしたいからだ。チェックインしたいスポットがなければ、チェックインしにきたのに、あきらめる人も多数いる。

UGCの問題点の一つはメンテナンスだ。4sqにはスーパーユーザ制度というものがある。スーパーユーザとは、事務局に代わってVenue(スポット)情報のチェック、変更、統合などを行うボランティアユーザである。スーパーユーザにはレベルがあり、レベルに応じた権限にて、Venue(スポット)情報のチェック、変更、統合などが行われる。
そして、スーパーユーザになることでさらにそのファン度や帰属感のようなものは演出されていく。そして、情報のメンテナンスの精度もあがっていく。

もちろんそれ(スーパーユーザ制度)に似たものはGowallaにもあった。しかし4sqは、サービスにおけるスポットの重要性を十分に認識しており、自宅でもVenue(スポット)が追加できたりなど、スーパーユーザの立場に立った設計ができていた気がする。
これもまた、「チェックインさせること」に注力していたからこその結果に感じる。

<まとめ?>
と、ここまできれいな言葉で褒めたたえてきたが、結局は
「プラットフォームになりたかった」というスタートが、チェックインだけにフォーカスし、スポット情報を充実させるという結果になったたけで、そしたら「シンプルで使いやすい」となってユーザがたくさん増えていった。ような気もしている。


最後に半年前ぐらいに書いた「私が4sqを好きな理由?もあわせて読んでいただけるとちょっと似たこと書いてます。





<蛇足>
戦略的なところもそうだが、感覚的にGowallaよりも4sqの方がファンが多かった。と思った。その要因を考えると、2,3あたりに差がでたのかな?と思った。
ファン作りってホントに重要だと思うんです。はい。
例えばwondershakeのプロモーションYelpのEilte制度などもすばらしい、この要素は是非マネしたいと思います。

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