2012年2月8日水曜日

サービスを使い続ける理由、使わなくなった理由

先日Facebookに以下の投稿をしたら何人かの方から「参加したい!」との返事をもらったので実施してみた。

「なんか、いろんなサービスを使ってるけど、使い続けているサービスは○○で、使い続ける理由はこれで、DLしたけど使わなくなったサービスは××で、使わなくなった理由はこれ、みたいなディスカッションとかしたい。そして、それをグルーピングとかしたい。まずは、自分の分をまとめてみるか。」

いろんな人の意見を聞いてみたい!と思ったので、シータス&ゼネラルプレスの黒井さんにファシリテーターをお願いし、合計9名でのワールドカフェ形式でのディスカッションを実施した。一人一人が話ができ、みんなの意見が聞け、とてもいい時間をすごせた。ありがとうございます。
※ワールドカフェ形式に関してはこちらをお読みください→http://world-cafe.net/about-wc.html

全てを一気に書くと時間がかかるので、書けた分だけブログにアップしていきたいと思う。
ということで第一弾になります。
ここで書かれていることは、あくまでも1ユーザの意見であり、正解はとくにありません。


■友達がいるからサービスを使わなくなった
友達がいないから、盛り上がりに欠けてサービスを使わなくなった・・・というのはよく聞く話だが、その逆も結構多いんだなっと気付いた。

例えば
はてなブックマーク
instagram
retty
などが例としてあがった。

はてなブックマークはただたんに、ブックマークをどこでも見れるのがよくて使い始めたのに、へんにフォローとかいう概念がでてきて、人の目を気にするようになって、めんどくさくなった。

instagramも写真を簡単に加工できるのがよかったのに、ソーシャル要素があるために周りの目を気にして投稿するようになり、それがめんどくさくなった。

といった感じだ。ここでは、使い始めた目的がツール系(機能系)のものは、単機能でシンプルな方がよく、ソーシャルがじゃまになるんだね。となった。

ただ、ツール系なんだけど、ソーシャル要素がはいったことではまる人もいるよね?という話になり、楽しく使い続けている人は、その分野が好きな人が残る傾向にないか?という話に落ち着いた。例を挙げると、
みんカラ・・・車好き
instagram・・・写真好き
retty・・・グルメ好き
などだ。その分野にこれといって興味がないと、
・友達がいることがプレッシャーになって嫌になった
・友達がいるからこそ使いたくないと思った

つまり、友達がいることによって、サービスを使わなくなることがあり、同じような他のサービス(友達がいない場所)にリプレイスする。
人は格好つけたがる生き物だから、得意なものでないとなかなか知っている人の前では表現できないのかな?と、思った。

この場合のソーシャルとは、リアルソーシャルのことをさし、Facebookなどで形成されているリアルな自分の友達のことをさす。


■サービスを使い続ける理由
ディスカッションをうけ、私個人が感じた使い続けているサービスの理由には
①自分のため
②コミュニケーションが楽しいから
の2つがあると思った。

例えば、最初は盛り上がりに比べ、やめてしまった人も多い「foursquare」と「instagram」を例に考えてみたい。

<foursquareの場合…>
Foursquareは、多くはコミュニケーションが楽しくてやり始めるのだと思う。foursquareをいつのまにかやらなくなった・・・という人は多いと思うが、そのほとんどは、コミュニケーションが目的でやりはじめ、その先の楽しみ方を見つけられなかった人なのではないか?

そして、コミュニケーション目的であれば、Facebookで十分なんだ。だって、そっちのほうが友達が多い(利用者が多い)から、コミュニケーション目的であればそちらのほうが楽しいのは当たり前だ。
あとは、みんながやっているから、はやっているから、ゲームだと思って・・・やり始めた人。だんだんまわりがやらなくなったからやらなくなった。とか。

では、foursquareを使い続けている人はなぜ続けているのか?それは、以下の2種類なんじゃないかと思う。
(A)自分のために使う使い方を覚えた(友達がいなくてもいい)
(B)別のソーシャルグラフが形成された

「A」に関しては、ライフログとして利用し、例えばfoursquareのチェックイン履歴をgoogleカレンダーにインポートしたり、timehopで1年前のチェックインを思い出して今につながったり、リスト機能を使ったり・・・。ツールとしての使い方を見いだせた人だと思う。
「B」に関しては、リアルなソーシャルグラフとは違う、foursquareでの友達ができ、インタレストグラフから始まったバーチャルなソーシャルグラフが形成されたからではないか?リアルな友達じゃない、サービスを通じて知り合った友達が増えたということだ。それはFacebookにはない別のソーシャルグラフであり、Facebookにはリプレイスできないものになっている。

foursquareのゲーミフィケーション機能は、「A」を気づかせるためのものだと私は思う。記録するからわかる楽しさは、体験してみないとわからない。それをいかに体験させるか?そのきっかけづくりだと思っている。foursquareのゲーミフィケーションを、ゲーミフィケーションではなくゲームだと思って参加してしまうと、飽きてしまうだろう。ゲーム要素は本質ではなくはスパイスなんだ。

さらにfoursquareのチェックインのパーミッションは、
・自分だけ
・foursquareで公開
・他のアプリ(Facebook、twitterなど)へも同時投稿
の3種類がある。ここで重要なことは「自分だけ」という選択肢があることだと思う。これがあるかないか?は、サービスを継続する理由として大きい気がしている。

<instagramの場合…>
そして、instagram。
instagramを使い始めた人は、簡単に写真を加工できるところに魅力を感じた人は多いんじゃないか?その次にみんなに「いいね」を押してもらえるうれしさ、コメントをもらえるうれしさがあったのではないだろうか?

だが、次第に、うまく撮れた写真じゃないと、postしずらくなったりしなかっただろうか?人に見られることが前提になってしまい、写真を撮ってもうまくとれなかったりすると投稿するのをやめたりしなかっただろうか?いわゆる、人がいることで使わなくなってくるパターンだ。

だが、ここでもしも写真を撮るのがうまく、いろんな人から「いいね」をもらい、それをきっかけにリアルソーシャルグラフにはないインタレスト×バーチャルソーシャルグラフが形成されていれば、その人はそのサービスを使い続ける可能性は高いと思う。だって、それはFacebookには代替できない人間関係が形成されているから。
だが、それがないと、リリース時に利用していた友達は徐々に減り、いいねをしてくれる人も少なくなる。Facebookへ投稿すればいいじゃんとなる。そうなった場合、instagramの利用頻度は徐々に落ちていくだろう。同じような機能があれば他のサービスにリプレイスするだろう。使い続ける理由がなくなってくる。
または、サードパーティアプリなどで、自分のためのメリットを見つけた人も使い続けているのではないか?instagramAPIを使ったサービスはいくつかあるので。
例えば以下のようなサービスだ。
instagramの写真を使って自分だけのiphoneケースが作れる
instagramの写真を絵はがきにして世界中に郵送してくれる

ここで、「自分だけ」という要素があったら、サービス自体を利用する頻度はもっと増えたのではないだろう?自分だけが楽しめる要素をいれたら、もっと継続していたユーザはいたのではないだろうか?そして、使い続ける中で、時々シェアをするような設計だったら、もっと継続ユーザはいたのではないだろうか?


■プライベートとソーシャル
ディスカッションの中で、私たちはそのソーシャルグラフ(ツール系なんだけど、ソーシャル要素がはいったことではまる人が使うサービスのグラフ)を「筋肉質なソーシャルグラフ」と名付けた。
ツール系のサービスは、筋肉質な人は、自分のためのメリット、もしくは筋肉質なソーシャルグラフが形成され継続して使われていく。一方で、筋肉質でない人はリアルソーシャルグラフがあることで利用をやめたり、他のサービスで代用されたりして使われなくなる。

ディスカッションの中では、「シンプルisBest(ツール系にソーシャルは邪魔)」的な結論になったが、個人的には「①自分のため」と「②コミュニケーションが楽しいから」のハイブリッドがBestなのではないか?と思っている。
ただし、それは、上記でソーシャルが邪魔になったサービスのように、はじめから共有ありき、もしくは非公開を選べないサービス設計とは違う。
①がベース(must)にあり、スパイス要素(want)として②があるというサービス設計である。

instagramやMy365は非公開を選択することができない。しかし、foursquareやロケタッチは非公開を選択することができる。(自分だけのサービスとして利用できる)
①をベースにということは、foursquareやロケタッチのように「自分のためだけに使うことができる」ことをさす。

そして、、「見てもらうことによるモチベーション=いいね」「共有することで生まれる価値=リアルな場での出会い」もサービスを継続するためには、重要な要素だと感じている。②のコミュニケーション要素を「邪魔」にならないようにサービスに盛り込むには、①をベースにすることと、②のコミュニケーションの「共有範囲」という考え方が重要になると考えている。

(補足)instagramやMy365は、プライベートモードでの投稿はできるが、自分のページのURLがわかると自分の投稿は見られてしまう。例えば、友達をフォローしてしまうと、その友達から見られる可能性は高い。という意味で、「非公開を選択できない」としました。

■共有範囲の重要性(投稿一つ一つの共有と、まとまったものの共有)
それをうまく設計できているのは、foursquareだと思っている。先ほども説明したが、foursquareはチェックイン一つ一つの共有範囲は
・自分だけ
・foursquareで公開
・他のアプリ(Facebook、twitterなど)へも同時投稿
の3種類がある。それはロケタッチも同じである。

foursquareのすばらしいと思うのが、今の情報を「友達」もしくは「その場所にいる人」には公開しているが、「過去」のチェックイン履歴については、公開したチェックイン情報であっても共有されない点である。(厳密にいうと最新のチェックインが公開されるので、それだけは過去の情報でも共有されるが・・・)。つまり、過去のチェックイン履歴(まとまった行動履歴)は公開されない。

チェックインサービスで私がfoursquareを使い続けている理由(他のものにリプレイスしない理由)は、そこにもあるかもしれない。他のチェックインサービスは、チェックイン履歴がみれてしまうものがほとんどな気がする。

最近リリースされた「pelo」も、チェックイン履歴が全て見えてしまうタイプである。peloのコンセプトは「おでかけ」での共有(コミュニケーション)だから、想定しているチェックインシーンは、日常の行動が予測できるようなものではないのでこれでもいいかと思うが、ライフログ的なものを狙っていると思われるロケタッチに関しては履歴の公開がなければいいのにと思う。非公開モード(チェックインの非公開)はあるのだが、履歴は公開されてるんですよね。履歴が公開されたくなかったら非公開モードでチェックインしてね。ということだろうが、それでは「ライフログだけ」の利用になり、コミュニケーション要素が楽しめなくなる。

「自分だけ+コミュニケーション」の二つが楽しめるfoursqureスタイルにしたら、利用者も増えるかもしれないなぁっと思った点だった。ユーザはそんなことを考えて利用していないので、ここまで明確に理解しているユーザはいないと思うが、過去の行動履歴が見られることで、なんとなく公開範囲が広いイメージはあるのではないかと思う。(怖いと思ってしまうというか)。つまり、ソーシャル要素があることで使わなくなる危険性がある設計と、私は思う。(私がそうなので)

また、自分のことになるが、私はMy365を使っている。写真日記的(つまり自分のため)に使っている。「いいね」はされればうれしいがそれほど重要視していない。一つ一つの投稿が見えるようになっていても構わないが、カレンダーを見られたくないのだ。
だから、申請をほぼ承認していない。カレンダーを見られる可能性が高くなるから。ただ、完全に一人の世界として利用していないのは、「いいね」してもらったときにうれしいという気持ちもあるし、他人の写真も見たいからだ。それを両立したサービス設計をしてくれると継続して使い続けるだろうなと思う。つまり、「フィードは公開するが、カレンダーは公開しない設定」=「自分のための利用がしやすく、コミュニケーションも楽しめる設計」があったら、継続して利用するだろうなっと思った。

このような、公開範囲の選択を与えることは、サービスの継続に大きく関与しているように思う。

と、思ったことをつらつらと書いてしまったので、いくつか考え不足な点などもあるかと思う。
がそこは許して下さい。そして、その点をコメントでご指摘くださると助かります。

<蛇足>
なんだか前回のpostといい、foursquareの大ファンのようになっている・・・。否定はしないが、肩入れしているつもりはないんだよな。私は理屈で考えるのではなく、まずサービスを使ってみて、ユーザ視点でどのように感じるか?を重視している。その点でforusquareには、感情をクリエイトされることが多かったんだよな。その心の動きを、他の人にも感じてほしい、そして意見を聞いてみたいなんて思うのです。

ちなみにMMD総研さんの「使わなくなったアプリのジャンルは・・・」では、ゲーム、写真、エンタメ、合コン系とのこと。

0 件のコメント:

コメントを投稿