2012年2月2日木曜日

心地いいリコメンドについて

1月23日(月)にジオメディアサミットに参加してきた。
今回のテーマは「O2O」。O2Oとは、オンラインの世界が、オフラインの行動の意思決定へ影響を与えるようなサービスの総称である。
ジオメディアサミットでどんなことが話されたのかは、ustのアーカイブがあるので、こちらを参照頂きたい。 

ここでは、参加してみて感じたことを書いてみたいと思う。
テーマのO2Oとは話がかなりずれているのでその点はご了承ください。
今回、メイン講演では
・CCCさん
・東急電鉄さん
が話をされ、パネルディスカッションでは、飲食店を運営する
・豚組の中村さん
・awabarの小笠原さん
が登壇された。

その中で思ったのが、店舗の展開範囲によってなんとなく階層化されている気がした。(下図参照)

CCCさんと東急電鉄さんは「データ解析からのリコメンド、プラットフォーム」という言葉の共通項があった気がした。一方で、東急電鉄さんとパネルディスカッションに登壇された方達からは、「エンゲージの大切さ」みたいなものが共通項としてあったように感じた。
一人当たりの売上の上げ方の考え方をまとめてみると、なんとなく共通項と思ったイメージが伝わるかな?


■一人当たりの売上の上げ方?

①接触ポイントを増やし、リコメンドによって向上

②エリアプレイヤーとのエンゲージを高め、リコメンドによって向上

③既存顧客を基点にエンゲージを高め、リピートによって向上





「データ解析からのリコメンド」に関しては、個人的にもすごく興味のある分野だ。で、今回の話を聞いて、なんとなく感じたことをつらつらと書いてみる。

■いい体験と思われるリコメンドをするためのヒント?
データ解析からのリコメンドは、データ量も必要だし、成果がでるまでに時間がかかるため、体力のある会社でしかできないと思う。ここでいうリコメンドとは、アマゾンのようなロジックが単純にわかるようなリコメンドではなく、セレンディピティを感じさせるようなリコメンドである。
また、自分がイメージするリコメンドは、位置情報と関連付け、モバイル端末で通知(push表示)するようなリコメンドである。そのようなリコメンドは、価値のある情報を提供しないと、ただのスパムになってしまい、通知設定をOFFにされる危険性がとても高い。
価値のあるリコメンド(心地の良いリコメンド)をするには、ブラックボックスの部分がまだまだあり、乗り越えなければいけない壁がたくさんあるように思う。

心地よいリコメンドに必要な要素ってなんだろう?

なんとなくだが、①と②のリコメンドはきっと「気持ち悪さ」があるが、③のリコメンドはない気がする。③においてもリコメンドする際にはデータ解析をすることになるだろうが、同じデータ解析でも、ユーザの受け入れ方が全然違う気がする。利用者とのエンゲージが作られているために、温度が伴うからだろうか・・・?
これもなんとなくだが、心地よいリコメンドのヒントは③の人たちが一番はやく分析・理解していく気がしている。そう思うから、なんだか私はここの人たちの話がとても聞きたいと思ってしまう。

また一方で、LivingSocialの記事「検索ならGoogle, でも自分の町の商店と対話したいときはどこへ?でO2Oのことが書かれており、その中で以下の文章になんだかすごく共感を覚えた。
人びとはまず、オフライン成分ではなくオンライン成分に注目する。しかしその後は次第に、オフライン成分が、顧客をつかめるかつかめないかを決めていく。単純なマウスクリックよりも、物理的でリアルな体験のほうが、心に訴えるのだ。

そんなようなことをつぶやいたらある方がこんな言葉をくれた。
オンラインで自分がハッピー気分になれるおもてなしを受けるには、自分から情報を細かく出す必要がある。オフラインだと相手が”察してくれる””見てくれる”プロセスがあって、自分がすごい労力をかけなくてもハッピー気分になれる。「うわ、すごいな、うれしいv」気分が増加して、どちらかと言うと心に残る体験となっている。」


なんだか、さっきよりちょっと答えに近づいてきた気がする。

ここでまた思ったのが以下になる。

何度かいくお店で、お店の人に知っていてもらうと「うれしい」と思う気持ちと、オンラインで自分の適したリコメンドをしてくれた時の「気持ち悪い」との差は何だろう?


上記図の①②のリコメンドはオンラインでやろうとするから、データを細かく出す必要があり、とにかくデータを集めようとしている。そして、いろんなところからデータをあつめ、分析し、適切な提案をしても「気持ち悪い。なんでわかるの?」となる。
自分が提供していることを認識してないからそうなるのか?いや、認識していても気持ち悪いとなる気がする。

ある方からは「顔の見える身の丈感をどう作るかが鍵では?」と言われた。
それは、twitterなどでキャラを感じさせることと似ているんだろうか?


(追記)ちなみに私が心地悪くなかったリコメンドの一つの例は、4sqのtips。チェックインした時に、その場の情報を、時間を超えて友達からコメントもらえた時。知っている人、という条件は、ものすごく「気持ち悪さ」を消すなって感じた。

答えは単純なのに、難しく考えている気もしている・・・。
結局答えはないんだけど、このあたりで最先端をいっているのは誰なんだろう?なんて思ってみた。
少なくとも、今回の登壇者の中ではパネルディスカッションに登壇された③の人たちだと感じたのでした。

ちなみに、ジオメディアサミットの概要は以下になります。


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第8回 ジオメディアサミット (ustのアーカイブ
■第一部:メイン講演(敬称略)
講演1:40,000店舗、3,850万会員基盤によるDBマーケティング
 └カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 藤澤幸生
<講演2:ニコトコを中心とした二子玉川でのジオサービス
 └東京急行電鉄株式会社 福島 啓吾
  都市生活創造本部事業統括部 企画開発部 企画担当
講演3:NFC利用によるビジネス拡大の可能性
 └株式会社リクルート 鵜飼伸光


■第二部:パネルディスカッション(敬称略)
<店舗運営者からみたジオメディア>
モデレーター:株式会社ゴーガ 小山文彦
パネラー(順不動)
 ├株式会社マイネット・ジャパン 代表取締役社長 上原仁
 ├株式会社サンゼロミニッツ 代表取締役社長 谷郷 元昭
 ├株式会社FrogApps 代表取締役社長 中村仁
 ├株式会社nomad 代表取締役社長 小笠原 
 ├有限会社らしく 代表取締役社長 佐藤 純也
 └株式会社ゆめみ ソーシャルアプリ事業部 副事業部長 君塚 賢一

■ショートプレゼン
GPSによるシームレス測位技術”IMES"について
測位衛星技術株式会社 取締役営業部長 石井 真
■第三部:ライトニングトーク ×12本

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